時代

日本人は昔から桜が好き。理由は、桜の花が国民性や精神性にソックリ!

桜の開花の季節ですね。

みなさん桜は好きですか?

日本人ならほどんどの方が、桜をみて「綺麗だな」と感じると思います。

そもそもなぜ日本人はこんなに桜に惹かれるのでしょうか?

仏教と神

             

まず、仏教には『無常感』というものがあります。

変わらないものはなにもない、移り変わるものだ、という意味ですが、そんな日本人の感性に桜という花はぴったり当てはまるのです。

この桜の花には、気持ちを寄せることができるのですね。

つぼみから1分咲きになり、3分咲き、5分咲き、8分咲き、そして満開と、その時々で見る側の気持ちも変わります。

咲いては散ってのくり返しに、人生を重ね合わせ『また次がある』という希望を私たちに感じさせるのかもしれません。

日本人と桜の関わりは古く、大昔の日本では「桜に神が宿る」と考えられていたそうです。

暦などがない時代、桜が咲くのを見てこのくらい咲いたら田植えをする、このくらいなら耕すなど、桜が季節の目印とされていました。

生きていく上で大切な作物を作るためのサインとして桜の開花が用いられていました。

サインを教えてくれる桜には霊力があると考えられていたのです。

またこの季節には、山の神は春に山から里に下り、田んぼの神となり、秋には収穫をもたらして山に帰り、また山の神になるという考えがあったそうです。

そのため昔の人は山の神と同様に春になると花が咲く桜を、神の力がある聖なるものとして大切にしていたのかもしれません。

いつの時代からあったの?

            

このように古くから日本人の生活と密接な関係があった桜は、和歌や俳句などの作品にも数多く登場します。

奈良時代から平安時代にかけて寺院などの建設ラッシュがあり、たくさんの木が切られたのですが、そんな中、数多く生き残ったのが桜の木でした。

この頃から、春の花として桜が優位になったようです。

江戸時代になると、人の手により桜の木がどんどん植えられていきました。

現在お花見で賑わう上野の桜なども、17世紀前半には植えられていたようです。

また『宴』としてのお花見が始まったのは、奈良時代頃からと言われています。

貴族の間で桜を愛でながら歌を詠んだりする『宴』が開かれていました。

一般庶民のものになったのは江戸時代と言われています。

徳川吉宗は、治安のよくない時代に花見をして、広く一般の人々にも楽しんでほしいと、桜をたくさん植えたそうです。

日本人の国民性や精神性

           

日本人が好きな花の第1位は桜です。

日本人はなぜ、こんなにも桜を特別に思い、桜に魅せらているのでしょうか?

実は日本人が桜を特別に愛でるのは、日本人の国民性や精神性、受け継がれてきた日本の文化が大きく関わっているのです。

可憐で控えめな美しさを感じさせる薄いピンクの桜の花びら。

桜の容姿は、控えめであることが美しいとされる日本人の意識と重なります

日本人は昔からとっても働き者です。

時が経つのも、季節が巡るのも忘れるほど忙しい生活の中で、桜の花の美しさは特別な心の拠り所だったのかもしれませんね。

桜の花は一つだけ見るとそれほど目立たないけれども、たくさんあると急に存在感を発揮します。

日本人は”個”よりも”調和”を大事にします。

人と人との”絆”を大切にする国民性です。

桜の姿は、そんな日本人の国民性によく似ていますね。

”桜”という言葉が入る四字熟語の一つに桜梅桃李(おうばいとうり)という言葉があります。

桜梅桃李とは、桜、梅、桃、李(すもも)のことです。

転じて、それぞれが独自の花を咲かせる、という意味です。

言い方を変えてみると”自分の使命を果たすこと”という意味にも捉えられます。

日本人は桜の花を通じて、他者を尊重しながら自分の花を咲かせるという精神性を養ってきたのかもしれませんね。

儚い命

             

桜の花びらが散ってしまうのはあっという間ですよね。

満開になったと思ったら、強い雨風で次の日はすっかり見頃を終えていることも多々あります。

そんな桜の命の儚さが、私たち日本人を花見へと駆り立てるのです。

咲いたばかりの桜が雨風に散る様子は、苦難に黙って耐える日本人のようでもあります。

桜の美しさは、その散り際にこそあります。

多くの花は、しぼみ、腐敗臭を漂わせて枯れていきますよね?

でも、桜はけっしてそんな姿を見せません。

美しい花びらを舞い散らせて終わり、その後、夏の訪れを告げるかのような葉桜に変わります。

日本人は、自己主張せずに耐えて潔く散っていく桜に、自分たちの国民性を重ね合わせているのかもしれません。

桜の散り方は、日本人の死生観を表しているのかもしれません。

桜はすぐに散ってしまうけれど、生きている間は醜い姿をさらさず美しくあろうとする。

そんな美意識が日本人の国民性と重なりますね。

寒く厳しい季節を乗り越えたご褒美

            

寒さが厳しい冬は、風景から彩りを奪い、人の心も閉ざされるような寂しい孤独な思いになります。

春を待ち焦がれる気持ちも、多くの日本人が感じているはず。

その春の到来と共に訪れる桜は、まさに特別なごほうびですね。

日本人は季節の移り変わりや自然の変化に敏感で、それを情緒的に捉えるという日本文化の中で生きてきました。

厳しい冬を乗り越えて、見ることのできる桜の花はなんだかとても優しく心穏やかにさせてくれる花なのです。

 

海外の人も桜が好き

           

日本を観光する外国人は桜の開花の時期に一番増えると言われています。

海外の方が驚くのが、テレビやネットのニュースで桜の開花情報、が配信されるということです。

桜の開花予想の”桜前線”というのにびっくりするらしいのです。

こんなに素晴らしい桜の花ですが、たった一週間ですので海外からこの時期に旅行を合わせるとなると、かなり難しいですよね。

まとめ

桜の美しさは、年を重ねるごとに身に染みてくる理由も、これではっきりとわかった気がします。

桜は私たち日本人の遺伝子にきちんと組み込まれている、そんな不思議な力のある花なのですね。

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