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麻雀放浪記2020、再映画化を10年かけ斎藤工が熱望!原作との違いは?

 

映画『麻雀放浪記2020』が、2019年4月5日(金)全国の劇場で公開されます。

主演は斎藤工さん、監督は白石和彌さんです。


  

再映画化された『麻雀放浪記2020』

この映画は最近監督にも挑戦している主演・斎藤工さんが発起人となって、カメラワークや麻雀の熱い闘いなど、麻雀を知らない人でも引き込まれる内容の作品が再映画化されるということで注目が集まっています。

斎藤工さんは「麻雀放浪記」の再映画化を、10年間熱望し続けていたということです。

もともと映画通として有名で知られている斎藤工さんは、その中でも生涯でベスト1と称賛されている1984年に上映された「麻雀放浪記」を愛し、10年ほど前から原作者の阿佐田哲也氏さんにアプローチをし続けたそうです。

そして白石和彌監督にもラブコールをかけ続け、実現に向けて動き出したようなのです。

邦画では初の試みとなる常時20台のiPhoneを駆使し、全編が撮影されています。

プロデューサーが全編iPhoneで撮影した『タンジェリン』に感銘を受けて、監督の白石和彌さんもiPhoneでの映画制作を切望したことにより、実行されました。

 

           

 

斎藤工が絶賛している原作『麻雀放浪記』とは?

原案となったのは、阿佐田哲也さんの250万部を超えるベストセラー小説『麻雀放浪記』です。

博打として麻雀を題材としている、娯楽小説です。

戦後復興期のドヤ街を舞台として、主人公「坊や哲」をはじめ、「ドサ健」、「上州虎」といった個性的な登場人物達が生き生きと描かれ、彼らが生き残りをかけて激闘を繰り広げるピカレスクロマン(悪漢小説)として非常に評価が高い作品です。

1969年(昭和44年)、『週刊大衆』に最初のシリーズ(のちに「青春編」と呼ばれる)が連載され、昭和40年代の麻雀ブームの火付け役になりました。

以後、1972年(昭和47年)までに計4シリーズが連載されました。

(青春編、風雲編、激闘編、番外編)

1984年、和田誠監督作品として映画化されたほか、漫画化もされています。

また、阿佐田さん自身による続編的な作品として『新麻雀放浪記』『外伝・麻雀放浪記』があります。

そのほか、ドサ健を主人公にしたスピンオフ作品『ドサ健ばくち地獄』があります。

            

今回の映画化は、イラストレーターの和田誠さんが初監督した『麻雀放浪記』から35年振りとなるようです。

            

映画通として有名で知られている斎藤工さんですが、その中でも生涯でベスト1と称賛されている1984年に上映された「麻雀放浪記」。

戦後混乱期の様子をあえて白黒映像にすることで、余計リアルティーを感じることができます。

白黒映画に対する抵抗感を持つ人は多いですが、陰影のコントラストは、カラーでは表現できない白黒映画独自の表現方法で、最初から引き込まれてしまいます。

ドサ健役の鹿賀丈史さん、ゼゲンの達役の加藤健一さん、出目徳役の故・高品 格さん、上州虎役の故・名古屋章さん、哲が慕うクラブのマダム役の可賀まりこさん、ドサ健の色に、まだ初々しい大竹しのぶさんが出演されています。

では原作はどんな内容の映画なのでしょうか?

原作のあらすじ

まだ何も知らない無邪気な坊や哲(真田広之)、博打を渡世としている海千山千の男たちに、一流の博打師として鍛え上げられていきます。

一発勝負で、家の権利書から自分の女までが売られていく世界。

そこには情も涙もなく、勝つか負けるかしかありません。

負けた者は後を汚さず舞台を去り、それでも虎視眈々と浮き上がりを狙うのです。

注目すべきところは、カラリとした空気感もありますが、とにかくセリフがかっこいいということです。

主人公の哲(真田広之)は、勤労労働が終わった後、學校に戻らずブラブラしていました。

ある日、金目当てに襲ってきた男は、軍事工場で一緒だった上州虎(名古屋章)でした。

虎に連れられて、賭場へやってきた哲は、博打打ちのドサ健(鹿賀丈史)にカモられてしまいます。

数日後、ドサ健は哲と一緒に、秘密カジノ『オックス・クラブ』へ乗り込みました。

ドサ健は、自分が麻雀で勝つと、哲を残して帰ってしまい、所持金を持ち合わせていなく、負け金が払えないことから、アメリカ兵の一人に絞められてしまうのです。

気を失って倒れている哲を介抱してくれたのが、カジノのママ(加賀まりこ)です。

その夜、哲はママによって始めて女を知るのです。

翌日から、『オックス・クラブ』にて、ママによる麻雀修業が始まります。

次第に哲は、ママに対する想いが深まっていきます。

ある日哲は、立ち寄った雀荘で、麻雀のプロに出会います。

その男は出目徳(高品格)といい、虎の師匠格の存在にあたる人物です。

哲は出目徳から『二の二の天和』という不正行為を仕込まれ、ドサ健と対決することになるのです。

ドサ健は、情婦のまゆみ(大竹しのぶ)の家を雀荘にしています。

哲は出目徳と組んだドサ健との対決は、出目徳側の勝利に終わります。

ドサ健は、まゆみの家の権利書までも賭け金とし、無一文になってしまいます。

再度、出目徳との対決を望むドサ健は、金を作る為にまゆみを女郎に売ることにしたのです。

そこで、これまで勝負に立ち会ってきた女衒の達(加藤健一)が、肩代わりにまゆみを一日だけ預かり、ドサ健が戻ってくるのを待つことにしました。

一方、『オックス・クラブ』に手入れが入り、カジノのママは姿を消してしまいます。

再びドサ健と出目徳の対決が来ました。

突然、ヤクを打っていたことから、出目徳が倒れてしまいます。

『九連宝塔』という大きな手で上がった時でした。

出目徳の死体を家まで自転車タクシーで運び、土手の上から家の前へ転げ落とし、別れを告げました。

戦後の混乱期を、バクチに人生を捧げる男たちの潔い生き様

哲は世渡り上手ですが、一目置かれる強者にはなれないまま、物語は進んでいきます。

そして、最初に哲をカモにしたドサ健が出目徳に全財産を賭けて挑むところは、博打打ちとしてのプライドでした。

麻雀で起こる一瞬の煌めきを表現するために、執拗に弱者を描いています。

麻雀のやり取りは、自分自身のプライドを賭けた戦いになっていて、鬼気迫るものがあります。

戦後の日本で生きていく手段のひとつとして選んだ博奕。

この人たちを決して美化せず真摯に描き、淡々とした人間模様と博打を交互に絡めることで、男の弱さと女の強さが表現されている作品です。

『麻雀放浪記2020』のキャスト

主演・斎藤工の他には、主人公・坊や哲を拾って面倒を見ることにした地下アイドル・ドテ子を姉妹ユニット「チャラン・ポ・ランタン」のボーカル・ももさんが、その地下アイドルたちを抱える芸能プロダクションの社長で、ドテ子の部屋に転がり混むクソ丸を『翔んで埼玉』『カツベン!(仮)』にも出演する竹中直人さんが演じています。

原作では強運の持ち主の娼婦だったドテ子を、地下アイドルとして現代風にアレンジしているようです。

また、坊や哲がいた元の時代で、哲に麻雀を教えたアパートの大家であり、麻雀クラブ「オックス」のママ・ゆき役には、タレントでモデルのベッキーさんが抜擢されています。

原作では加賀まりこさんが演じた妖艶なゆきに扮し、見事な牌さばきを披露しています。

               

そしてベッキーさんは、哲の前に現れる謎のAI搭載アンドロイド・ユキ役も兼任することが明らかになっています。

ハードな2つの役どころを演じることに対しては「二役もやらせていただけて嬉しかったです。二役と言っても、“人間と人間”ではなく“人間とAI”なので、かなりやりがいがありました。」とコメントしています。

麻雀クラブ「オックス」で坊や哲と激戦を共にしてきた、ドサ健、出目徳、女衒の達役には実力派俳優が集結しています。

原案小説でも不動の人気を誇る名キャラクターであるドサ健を演じるのは的場浩司さん、冷静に麻雀を打ち続け、勝つためには手段を選ばず相手を叩き潰す出目徳役には小松政夫さんが出演しています。

               

今回の映画でピエール滝さんは重要な役どころ、五輪組織委元会長役だったようです。

『麻雀放浪記2020』のあらすじ

では。原作との違いをみてみましょう。

原作では戦後昭和の上野、浅草の設定ですが、「麻雀放浪記2020」では戦後の主人公・坊や哲(斎藤工さん)が、上野から2020年にタイムスリップし、人工知能であるAIと激戦を繰り広げるという設定です。

主人公・坊や哲がいるのは、2020年の“未来”。

人口が減少し、労働はAI(人工知能)に取って代わられ、街には失業者と老人があふれています。

そしてそこは“東京オリンピック”が中止となった未来だったのです。

白石監督曰く、

昭和の男が2020年にタイムスリップすることで、現代社会に警鐘を鳴らし、新しい時代に何かを叩きつける一歩となる内容になる

と語っています。

「麻雀放浪記2020」の予告動画を見ると、予告の最後に、「これでいいのか日本!」と大きく出ています。

おそらく、現代日本の問題の本質を突いた映画なのでしょう。

1945年の“戦後”からやってきた坊や哲が見る、驚愕の世界。

その時、思わぬ状況で立ちはだかるゲーム“麻雀”での死闘とは!?

前作とは違い、昭和の男が平成が終わる2020年タイムスリップすることで、現代社会に警鐘を鳴らし、新しい時代に何かを叩きつける一歩となる内容になると白石監督は話しているといいます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

映画通の斎藤工さんが一番愛する原作のこの映画、是非観てみたいですね!

この映画で違った角度から斎藤工さんをみることにより、ますますファンになってしまうかもしれませんね!

https://shufuwork.com/archives/827